2012年10月22日月曜日

寛保の水害手伝普請図

川越市渋井の観音堂には、寛保の水害手伝普請図が残されています。
寛保の水害とは、寛保2年(1742)8月に関東地方一帯を襲った未曾有の大水害です。
江戸幕府は、直ちに被災地を救済するとともに、堤防の修復に着手し、熊本藩や長州藩などに手伝普請を命じ、同年10月頃から工事に着手しました。
川越地方の荒川堤防は、飫肥藩(現宮崎県)が請負いました。
絵馬は、煤などで読み取れませんが、赤外写真によると「御用」と記された旗の下、復旧作業をする男女53人が描かれており、「村中納之」の墨書から、村人全員の奉納によるものです。
この絵馬は、川越市指定有形民俗文化財に指定されています。